
多重債務とは、数社から借金している人で返済困難に陥っている人のことを指します。
返済のために別のところから借金している状態のことです。
そんな多重債務から抜けだすには、いったい何をしたらいいのでしょうか。
多重債務問題から脱出するには、まずは借金状況を確認

まずやるべきことは、自分の債務状況を把握することです。
どれだけ借金があるのか、利息はどのくらいつくのか、返済期間はどれくらいになるのかを調べましょう。
調べ方は簡単で、借入先に問い合わせればいいのです。
あるいは返済したときの明細書でも確認ができます。
会員サイトを利用しているなら、ログインして利用状況と契約内容を確認してみましょう。
また、信用情報機関で情報を開示してもらうこともできます。
そうすれば借金の額や借入先の数だけではなく、思わぬ過去の金融事故が発覚するかもしれません。
自分がどれだけ借りているか知っていることは「当たり前のことじゃないか」と思うかもしれませんが、多重債務者は感覚がマヒして借金の総額をよく把握していないことが多いのです。
多重債務者は現実から目を逸らさず、事実を受け止めることが大事なのです。
返済シミュレーションをしてみる

自分の借金の額が把握できたら、次は返済シミュレーションをしてみましょう。
現在の支払い状況のままでいくといったいどれだけ返済期間がかかるのか、利息はどれだけ支払うことになるのかを調べます。
返済期間を短くすれば当然、利息も減らせます。
しかし、借金返済が苦しければ月々の返済額も少なくなり、なかなか元金が減りません。
そうなると返済期間が長くなり、支払うべき利息の総額も増えてしまうのです。
どうにか少しでも早く完済をしたいと思うなら、月々の支払額を増やせないかを考えてみましょう。
節約して支出を減らし借金返済に回す、もしくは仕事を増やして収入を増やし、その分を返済に回すなどの方法があります。
借金をこれ以上増やさない

借金をこれ以上増やさないために生活態度を改めて、家計の支出を減らす事が大切です。
収入に見合わない高額商品や高級ブランド品などを安易に購入するという浪費癖がある方は、身の丈にあった質素な生活を送る様に改めるべきです。
でも、一度身に付いた浪費癖は、よっぽど意思の強い方でなければそう簡単には直せないと思います。
ですから、もし信販会社が発行している「クレジットカード」や銀行が発行している「ローンカード」、消費者金融会社が発行している「キャッシングカード」といった借り入れ用のカードを持っているのなら、これ以上借金を増やさないためにカードを廃棄するようにしましょう。
特にカードを使った浪費癖のある方は、多重債務の根本原因がカードを所有しているからなので、多重債務から脱出する為にカードの廃棄を真っ先に行うべきです。
多重債務の借金を一本化できないか

複数の金融機関から借り入れをしている場合は、借り入れ会社を1社だけにする「借金の一本化」ができないかを検討しましょう。
一般に借入額が多額になれば貸付利率は低率になるので、借金の借入先を1社にまとめることで、借入利息を低額にできる可能性があります。
また、複数の金融機関から借り入れをしていると、現在の借入総額が不明瞭となりがちですが、借入先を1社にすることで借入総額を簡単に知ることができ、借入総額が明確となります。
さらに「借金の一本化」を行うことで、今まで複数の金融機関で行っていた返済手続きが1社だけになるので、返済手続きに掛かる手間も大幅に減らすことができます。
毎月の支出の見直しで多重債務から脱出

生活費は一般的に、給料の入るタイミングである1か月単位で考える方が多いと思います。
家計の支出の検討間隔は、期間が長いと無駄があっても気づくのに遅れ、無駄な支出や浪費が発生してしまうことになります。
ですから、少しでも家計の支出を減らしたい方は、1か月より短い間隔である1週間や2週間単位で生活費の支出状況を確認する様にしましょう。
家賃
アパートや賃貸マンションに住んでいる方は、家賃の安い別の物件を借りることができないかを検討しましょう。
家賃の安い所に引越しをすることで、浮いた分をそのまま借金返済の増額に割り振ることができます。
光熱費
夜更かしをしている方は、1日の生活サイクルを早寝早起きに改めると照明代を減らすことができます。
また、夏季は出来るだけ薄着を、そして冬季は厚着をすることを心掛けることで冷房代や暖房代を減らすことができます。
自動車
電車網が発達している都市部に住む方で、クルマにあまり乗らないという方は、クルマを売却してしまいましょう。
車を売ることで臨時収入を得ることができますし、月々のガソリン代や駐車場代、毎年の自動車税や自動車保険への支出を削減することができます。
また、どうしても車が必要な方で軽自動車以外に乗っている方は、クルマを軽自動車に買い替えることも考えましょう。
軽自動車にすることで、様々な維持費を減らすことができます。
通信費
スマホだけでなく固定電話も契約をしている方は、固定電話回線の解約を検討すると良いでしょう。
また、スマホも大手通信会社と回線契約をするのではなく、維持費の安い格安スマホ会社と回線契約ができないかを考えてみましょう。
基本料金の安い格安スマホ会社だと、基本料金は月々千円程度で済ませることができます。
保険
現在、様々な生命保険に加入をしていて、その保険の掛け金を毎月支払っている方は、無駄な保険に入っていないかをしっかりと考える様にしましょう。
特に、掛け捨てタイプの物は貯蓄性が無いので、保険契約の解約ができないかをしっかりと検討しましょう。
借金返済の協力を親や兄弟、親戚などに仰ぐ

もし、親や兄弟、或いは親戚に経済力があるのなら、恥を忍んで借金返済の協力を依頼するという方法もあります。
借金の立て替えをして貰うことになるので肩身の狭い思いをすると思いますが、それでも多重債務問題が解決できれば、さほど苦ではないと思います。
親の場合は、お金を借りることができず直接的な金銭的援助を受けることができなかったとしても、親の家に居候させて貰うことで生活費の負担を減らすという事ができます。
どうしても返せない!そんなときには無料相談

借金返済のシミュレーションした結果、いつまでたっても返せそうにもない現状に茫然としてしまった人もいるのではないでしょうか。
このままの状態では一生かかっても返せないどころか、借金は増えていくばかり・・。
しかし、無くならない借金を一生返し続ける必要はありません。
どうしても借金が返せないという時には、借金問題の無料相談を利用してみましょう。
借金問題の無料相談は公的な機関でも民間でも様々なところで開催しています。
また、無料相談を受けて対策を立てるのであれば、なるべく早い段階がよいです。
返済シミュレーションをした結果、経済的に追いつめられることが分かったなら、できるだけ早く債務整理をして家計を立て直した方が良いです。
多重債務からの脱出を専門家に任せるなら

手に負えない借金問題を抱えている方がその問題を解決するためには、一般的には債務整理の専門家である弁護士、あるいは司法書士に借金問題の解決を依頼することになります。
弁護士・司法書士が行う借金問題の解決策には以下の4つの方法があります。
- 任意整理-裁判所を利用せずに、直接、債権者と借金の減額交渉をする方法
- 特定調停-調停委員が仲裁役となり、債権者と和解を図る方法
- 個人再生-条件を満たせば、自宅を残したまま借金の大幅減額が可能な方法
- 自己破産-裁判所を利用することで借金をゼロにする方法
どの方法を選択するかは、依頼者の個々の借入状況と依頼者の希望、そして弁護士・司法書士の考えを踏まえて最終決定することになります。