借金返済の解決法が分からないという人は、専門家である弁護士へ相談しましょう。
弁護士でも無料で相談できることがあるのです。
借金返済に困っているのに弁護士相談を受けないとどうなるのか?
多額の借入金の為に借金苦となり、返済に困っているのに、弁護士の相談を受けなかった場合には債務者はどうなってしまうのでしょうか?
借金には貸付金利があります。 また、返済を遅延してしまうと遅延損害金が加算されます。
そのため、自分の借金問題に対して何も対策を行わないと、時間経過と共に借金は徐々に膨らんで、最終的には返済不能に陥ります。
借金問題を放置した場合
約束の期日に借金返済をしないと金銭の貸主である債権者から督促があります。
債権者の督促を無視し続けると、裁判所から支払督促状が債務者の自宅に送られてきます。
支払督促状には、「借金を全額一括返還せよ」と書かれています。
さらにこの要求を無視すると、裁判所から差押予告付きの支払督促状が送られてきます。
この支払督促状には、返済期限の2週間以内に借金を全額支払わなければ「差押えの強制執行を行う」と書かれています。
「差押えするぞ」というのは単なる脅しではなく、借金の全額返済が行われなかった場合には、実際に「差押え」が実施されます。
通常は、現金を確保しやすい、債務者の預金通帳や給与が差し押さえされます。
また、借金の額が多い場合には、家や土地などの不動産も差し押さえされることがあります。
給与が差し押さえをされた場合には、会社に差押えの事実を知られてしまうことになります。
なお、差押え制度は、差押えが実行されたとしても、差押えを受けた人が必要最低限の生活をするのに困らない様になっています。
例えば、給料は手取りの全額を差押えするのではなく、毎月の手取り給料の一部のみを差押えします。
また、テレビや冷蔵庫、洗濯機、家具などの生活に必要な家財道具は差押さえされません。
収入の増加または支出の削減を行う
借金返済で苦しくなってしまう理由は、収入から生活費を差し引くと借金返済の為の資金が不足してしまうからです。
であるならば、収入を増やすか生活費を減らせば、借金返済の資金を確保できます。
収入を増やす方法には、会社員だと残業を多くしたり、副業やアルバイトをするという方法があり、自営業者だと労働時間を増やすという方法があります。
生活費を減らす方法には、家計をチャックして支出項目で無駄がある部分を節約するという方法あります。
収入のアップまたは支出の削減を行うことで、毎月の借金返済の資金を確保することができ、借金返済で困ることが無くなります。
ただし、この方法が通用するのは借金が少ない場合だけです。
借金が多い場合は多少収入を増やしたり、支出を減らしたところで、焼け石に水で、少しだけ借金返済が楽になるだけで、返済に困るという状況は変わらない可能性があります。
借金の一本化を行う
もし、複数の金融機関から借り入れをしている多重債務となっているなら、それらの借金を低金利な1つのローンにまとめるという方法があります。
低金利なローンにまとめることのメリットには、「毎月1度の返済で済むので返済管理が楽になる」、そして「利息が減るので毎月の返済額を減らせる」があります。
低金利なローンに乗り換えることで、トータルの返済総額を少なくすることが可能です。
複数の借金を1つにまとめるローンの事を一般的には「おまとめローン」と言います。
「おまとめローン」は、銀行や消費者金融などで提供をしています。
多重債務の方は「おまとめローン」に乗り換えることができるのなら、乗り換えた方がずっと返済が楽になります。
「おまとめローン」のデメリットは、複数の借金をまとめるので融資額が高額となるため、融資の審査が厳しいという事です。
審査落ちする可能性はありますが、「おまとめローン」に申し込みをする価値は十分にあります。
債務者自身で債務整理を行う
債務整理とは、債権者との直接交渉、または裁判所を使った法的措置によって、借金の減額または免除を実現するための手続きです。
一般的には、債務整理手続きは、法律の専門家である弁護士などの専門家に相談をした後に処理を依頼します。
今は、インターネット社会で様々な知識や情報を得やすい環境となっています。
債務整理手続きに関する情報もインターネットで調べればわかります。
そのため、債務整理を債務者自身でやろうと思えばできてしまいます。
ただし、専門家に依頼せずに自分で債務整理を行う場合には次の様なデメリットが発生します。
「書類作成」や「債権者との交渉」、「裁判所のやり取り」の作業が大変で、時間もかかる。
慣れないことをする為にミスをする可能性がある。
また、債務整理の方法には複数の種類があるため、知識不足で適切な債務整理方法を選べず、結果として損をする可能性がある。
「収入のアップができた」、「家計の見直しによって支出を減らすことができた」、「おまとめローンを利用できた」といったことで、返済が楽になって借金問題が解決するのならば、弁護士に相談をしなくてもOKです。
ですが、そうでないのなら、借金苦から抜け出すために法律の専門家である弁護士に借金相談をするべきです。
弁護士相談は高くないの?
弁護士に相談するのは、かなり高いイメージがありますよね。
普通は30分5,000円の相談料がかかりますが、借金のことに関しては無料で受け付けている場合も多いです。
借金相談に限っては、現在では、多くの法律事務所が無料相談を実施しています。
借金返済に苦しんでいるのですから、少しでもお金をかけずに解決をしたいところです。
ですから弁護士の無料相談はとても助かるサービスです。
ただし、法律事務所によって対応が少し異なります。
無料相談は一度のみと言う場合もあれば、借金に関することなら何度でも無料で受け付けている場合もあります。
無料の借金相談は、法律事務所によって実施条件が異なる点に注意して活用しましょう。
借金の無料相談ができる弁護士の探し方
ここでは、借金返済に関して無料で相談ができる弁護士を探すための方法について解説をしています。
インターネットを活用
弁護士でも得意・不得意な法律分野があり、借金問題に関して不得意な弁護士もいます。
ですから、借金について専門的に取り扱っている弁護士を探す必要があります。
Yahoo!やGoogleの検索で、「借金 弁護士 地域名」でネット検索をすると近所の法律事務所がヒットします。
例えば、神戸市に住んでいるとしたら「借金 弁護士 神戸市」というキーワードで検索を行います。
検索後にヒットした法律事務所のホームページの中身を確認することで、無料で借金相談を行っている弁護士を探し出すことができます。
法テラスを活用
法テラスとは、日本司法支援センターとも呼ばれ、総合法律支援法に基づき設立された組織です。
相談者の収入と資産が、法テラスで定めている所定の条件以下の場合には、弁護士による無料相談を受けることができます。
条件を満たしていない場合には、有料相談となりますが、借金返済に困窮しているのであれば、ほとんどの方が無料相談を受けられるはずです。
相談場所は、自宅近辺の法テラス、もしくは法テラスと契約を行っている法律事務所となります。
日本弁護士連合会を活用
弁護士会事務所の相談センターで、借金問題に関する弁護士相談を無料で実施しています。
相談方法は面談のみで、相談を希望される方は、あらかじめ電話かインターネットで相談の事前予約をする必要があります。
市町村役場を活用
多くの役所では無料の法律相談窓口が設置されています。
(※法律相談窓口を設置していない市町村役場もあります。市町村役場のホームページで法律相談窓口の有無をご確認ください。)
まずはそれらの無料相談窓口で借金問題について相談して、そこで弁護士を紹介して貰うという方法もあります。
弁護士との無料相談から借金問題解決までの流れ
弁護士との借金相談は、状況が悪化してしまうのを避けるために早期に相談することが重要となります。
早期に借金相談をして問題を解決できれば、解決に要する費用や工数を抑えることができます。
弁護士と借金相談を行った場合に、借金問題を解決するまでの手続きの流れは次の様になります。
各手続きについて、もう少し詳しく説明をします。
無料相談を受けて今後の方向性を決定
弁護士との無料相談は、できれば複数個所で受けて、様々な解決方法を聞く様にしましょう。
弁護士との無料相談では、自分に適した債務整理の方法や問題解決までに掛かる日数、費用、そして、過払金(※1)があるかを聞きましょう。
また、弁護士に債務整理の手続きを依頼した場合は、幾度となくやり取りをすることになるので、弁護士と会話がスムーズにできるか、そして弁護士の人柄が良いかなども確認をする様にしましょう。
※1):過払金とは、貸金業者に払い過ぎた利息金のことです。 改正貸金業法が2010年(平成22年)6月18日に施行されましたが、それより前から借金返済をしていた場合には、過払金が発生している可能性があります。
債務整理を弁護士に依頼
弁護士に債務整理を依頼する前提条件として、相互信頼が築けているかが重要です。
お互いにギクシャクしている様だと、意思疎通も上手く行きません。
また、債務整理の契約をする前に、不明点は弁護士に全て質問をして、不明点をクリアにして、納得をした上で契約をする様にしましょう。
債務整理の手続きを実施
着手金が必要な法律事務所の場合には、着手金の支払いが行われた後に、債務整理手続きが開始されます。
債務整理の手続き中は、弁護士からの連絡を待っているだけでなく、電子メールでよいので自分からもこまめに進捗状況の確認をする様にしましょう。
債務整理の手続きが完了(借金問題解決)
債務整理が完了した時には、法律事務所に報酬金を支払うことになります。
法律事務所によっては、分割払いに対応しているところもあります。
弁護士に相談するときに必要な物
弁護士との借金相談で、限られた時間内で的確なアドバイスをもらうためには、ある程度情報をまとめておくことが大事です。
借金返済について相談するなら、現在の債務総額、債権者一覧、貸付金利、月々の支払額、借入期間、年収の数字をまとめておくと便利です。
任意整理や自己破産など、それぞれの状況に応じた最適な債務整理方法をアドバイスしてもらえます。
また、最初の相談でそのまま債務整理の依頼を決めてしまう場合もあります。
債務整理の依頼をする場合は、以下の物も必要になります。
- 身分証明書
- 印鑑
- 貸金業者との契約書
- キャッシングカードやクレジットカード
- ATM振込票(ATMを利用していた場合)
- 預金通帳(返済を口座振替で行っていた場合)
- 取引履歴が分かるもの
- 収入が分かるもの(源泉徴収票や直近の給与明細、確定申告の控え)
- 貸金業者からの督促状
- 裁判所から届いた書面(督促通知や訴状など)
詳しくは法律事務所の方でも用意するものを説明してくれますので、足りないものがあればその都度用意して提出しましょう。
借金相談で弁護士から聞かれること
弁護士と借金相談というと、身構えてしまうという方もいると思います。
どの様なことを聞かれるのだろうと、不安に感じたり、ドキドキしてしまう方もおられるでしょう。
ですが、司法試験という超難関試験を突破した弁護士もやはり同じ人の子です。
借金相談を受ける時は、あまり緊張することなくリラックスして臨んで頂きたいです。
ここでは、弁護士と借金相談をした場合に、どの様なことを聞かれるのかについて、リストアップしました。
借金相談の際に弁護士から質問される内容
- 借入総額
- 借入先の数
- 月々支払い可能な金額
- 今後の収入の見通し
- 持ち家が賃貸か?
- マイホームローンやマイカーローンなどの長期ローンの借り入れ有無、返済状況
- 家族構成
- 金融資産や家屋、土地などの財産状況
- 借金をするに至った経緯
弁護士が相談者に聞く内容は、基本的には現在の借金状況と財産、収入状況、今後の返済の見通しについてです。
弁護士はこれらの事を相談者から聴いた上で、状況にあったベストな債務整理方法を相談者に提示します。
質問に対して、おおざっぱな返事をしてしまうと、解決方法もおおざっぱにしか提示できなくなります。
ですから、より良い解決方法を弁護士から導き出すために、質問されたことに対しては出来るだけ事細かに説明する必要があります。
債務整理の弁護士依頼先を決めるための判断基準
弁護士が在籍している法律事務所に債務整理の依頼をするのは、ほとんどの方が人生初の経験だと思います。
債務整理は、自分の人生を左右してしまう、人生の大きなイベントと言える事柄です。
ですから、どの法律事務所(弁護士)に債務整理手続きを依頼するかは極めて重要なことです。
ここでは、どの様なポイントについて留意して、債務整理の依頼先を決めればよいのかについて解説をしています。
債務整理の依頼先を決めるための判断基準
債務整理手続きを行うことを目的として弁護士を選ぶ時の判断基準には、次の項目があります。
- 借金問題の解決実績が豊富
- 債務整理に関する深い知見がある
- 相談者の考えや意見をしっかりと聞く
- 親身かつ明確な説明・アドバイス
- 費用が適切
- 相談者(あなた)と弁護士との相性が良い
- 相互に信頼ができそう
それぞれの項目について、簡単に説明をしていきます。
借金問題の解決実績が豊富
借金問題を数多く手掛けている弁護士に依頼をしましょう。
債務整理の経験を多く積んでいる弁護士の方が、より的確な解決方法を提示してくれます。
債務整理に関する深い知見がある
弁護士の中には、最新の法改正や判例などを勉強して法律に関する知見を深めようとせず、経験だけで問題を解決する方もいます。
外見だけで判断するのは難しいですが、勉強熱心な弁護士に仕事を依頼した方が良いです。
法律事務所、あるいは弁護士個人のホームページが公開されている場合は、ホームページをチェックすると、勉強熱心なのか判断できる場合があります。
もし、弁護士のプロフィールが公開されているのなら、学歴もチェックをしましょう。
相談者の考えや意見をしっかりと聞く
自分の考えだけを一方的に相談者に押し付ける様な弁護士でないかを確認しましょう。
相談者の考えや意見をきちんと聞いた上で、弁護士としての見解を提示してくれる人を選ぶ必要があります。
親身かつ明確な説明・アドバイス
弁護士から法律に関する説明を受けて内容を理解するには、法律に疎い素人には難しいです。
ですから、弁護士の説明やアドバイスが相談者にとって分かり易く、かつ相談者が理解できるまで繰り返し説明してくれるかを確認しましょう。
言葉で説明を受けてもわからない場合には、理解しやすい様に弁護士に絵や図表などを書いて貰えないかを頼みましょう。
費用が適切
複数の法律事務所を比較して、費用が妥当かを確認しましょう。
価格が安い、リーズナブルに越したことはないですが、価格に重点を置きすぎると弁護士選びに失敗することもあるので、あまり費用の安さだけにこだわらない方が良いです。
相談者(あなた)と弁護士との相性が良い
弁護士と話をしてみて、きちんと言葉のキャッチボールができているかを確認しましょう。
相談者の質問に対して、的を得ない回答が返ってくるような弁護士に債務整理を依頼してしまうと、債務整理手続き中の意思疎通が上手く行かず、不安を抱えることになります。
そのため、弁護士との相性がよく、意思疎通がうまくできる弁護士を選ぶ必要があります。
相互に信頼ができそう
相談者に隠し事があると、弁護士は相談者に対して不信感を持ってしまいます。
ですから、相談者は借金相談の際には、借金に関連することは包み隠さずに弁護士に話す必要があります。
また、もし弁護士が傲慢な態度を取るなどの常識外れな方の場合には、相談者が弁護士に対して不信感を持ってしまいます。
お互いに信頼関係が築けないと、債務整理を依頼したとしても、スムーズに情報交換ができず不安を抱えることになります。
だから、お互いに信頼関係を築けそうな弁護士を選ぶ必要があります。
弁護士に債務整理を依頼することで実現できること
ここでは、弁護士に債務整理手続きを依頼すると、どの様なメリットがあるのかについて説明をしています。
借金返済に困っている依頼者が、弁護士に債務整理を依頼すると次の項目を実現できます。
債務整理で実現できること
- 受任通知を債権者に送付することで、取り立てがストップする。
- ベストな債務整理方法を提案して貰える。
- 債務整理が完了するまで、借金返済をストップできる。
- 債権者や裁判所とのやり取りを任せられる。
- 借入先との関係を終了させることができる(自己破産の場合)。
- 債権者に払い過ぎた過払金があれば、取り戻せる。
- 将来の利息をカットできる。
- 返済を遅延している場合は、遅延損害金をカットできる。
- 返済計画の立案をサポートして貰える。
- 闇金問題を解決できる(利息を含めて返済不要)。
- 他者にお金を貸しているが依頼者が回収できない場合は、そのお金を訴訟や強制執行などの法的手段で回収できる。
弁護士に借金問題を解決するための債務整理手続きを依頼すると、借金の減免以外にも多くのメリットがあります。
借金返済に困っているのなら弁護士に借金相談をして、その後に債務整理手続きを行うのが、最も正攻法と言える借金問題の解決方法です。
弁護士が実施できる債務整理方法の種類
借金問題を解決する為の債務整理方法として、もっとも有名なのは自己破産です。
ですが、実は自己破産の他にも借金問題を解決するための債務整理方法がいくつかあります。
具体的には、裁判所を利用しない方法として「過払金返還請求」と「任意整理」、裁判所を利用する方法として「特定調停」、「個人再生」、「自己破産」という債務整理方法があります。
ここでは、其々の債務整理方法の特徴について説明をしますが、その前に、どの債務整理を行う際にも行われる「引き直し計算」について説明をします。
引き直し計算とは
2010年6月以前から貸金業者に借金返済をしている方は、利息制限法の上限貸付金利以上かつ出資法の上限貸付金利以下のいわゆる「グレーゾーン金利」で借金返済をしていた可能性が高いです。
グレーゾーン金利での融資は、違法との判断がなされたので、グレーゾーン金利で借金返済をしていた方には、貸金業者に払い過ぎた利息金が存在します。
引き直し計算とは、貸金業者に払い過ぎた利息金を現在の借金総額から差し引いて、正しい借金総額を算出することを言います。
債務整理手続きを行う際には、最初の段階で引き直し計算を行い、正しい借金総額を導き出します。
過払金返還請求
過払金返還請求とは、引き直し計算を行って、債権者に払い過ぎたお金の返金を求める手続きです。
債権者が返還請求に応じない場合には、裁判所で訴訟を起こして過払金の返金を実現します。
任意整理
任意整理とは、裁判所を利用しないで、借入先の金融機関と直接、借金の減額交渉を行う債務整理方法です。
裁判所を利用しないので費用が安く、他の債務整理方法と比較すると短期間で借金問題を解決できます。
引き直し計算を行って借金を減らした上で、今後の利息カットの実現を目指すことが多いです。
特定調停
特定調停とは、簡易裁判所を利用した債務整理方法で、債務者と債権者の仲立ちを調停委員が勤めます。
特定調停の借金の減額内容は、任意整理とほぼ同じです。
和解が成立した場合には、確定判決と同等の法的な効力を持つ調書を作成します。
個人再生
個人再生とは、住宅資金特別条項を利用することで家を守ったまま、住宅ローンを除いた借金を最大8割も大幅にカットできる債務整理方法です。
個人再生を利用する為には「住宅ローンを除いた借金が5千万円以下である事」、「継続的な安定収入がある事」が必要です。
この要件を満たしていれば、パートやアルバイトなどの非正規雇用の方でも、個人再生の手続きを受けることができます。
管轄の地方裁判所に、借金を大幅に圧縮した再生計画案を提出して、その計画を認めて貰った上で、3年間の分割払いで完済を目指します。
自己破産
自己破産とは、多額の借金があるのに「無収入かつ資産もほとんどない人」、あるいは「経済的に破綻した人」を救済する為に作られた債務整理方法です。
所有財産は、生活に必要な最低限の財産を除いてほとんど失いますが、裁判所から免責許可の決定を受けることで、原則、借金は全額返済が免除されます。
デメリットとして、「官報に自己破産の事実が掲載される」、「自己破産手続き中は一定の職業に就けない」という事があります。
ですが、官報は一般の人は見ないので自己破産したことが周囲の人に知られることはまずないですし、一定の職業制限も自己破産手続きが完了した時点で解除されるので、この2つのデメリットはあまり気にしなくて良いと思います。
債務整理の大きなデメリット
実は、債務整理を行った場合、1つ大きなデメリットがあります。
そのデメリットとは、金融事故として個人信用情報機関に債務整理をした事実が記録されるという事です。
いわゆる金融機関のブラックリストに登録されるという事です。
個人信用情報機関に記録された金融事故情報は、登録から5年から10年で消去されます。
債務整理からおよそ5年から10年のブラックリストに載っている期間は、借金ができなくなります。
そのため、債務整理をすると住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードなどを当分の間、利用することができなくなります。
ブラックリストに載るのはデメリットですが、借金ができないのはちょうど良い機会だと考えて、借金をしない生活を身に付ける様にしましょう。
闇金対策
債務整理を扱っている弁護士の中には、闇金被害による闇金問題を扱う方もおられます。
闇金とは、行政に未登録の非正規貸金業者で、一般的には法外の高金利で融資を行っています。
闇金は高利貸しなので、闇金から借り入れをすると借金地獄に陥ってしまいます。
闇金からお金を借りて借金まみれとなった場合には、弁護士に闇金対応を依頼することで問題を解決することができます。
弁護士が介入をすれば、闇金との借入契約自体が無効となるので、利息を含めて一切の返済をする必要がなくなります。
無料相談後に債務整理を実施した借金の減免事例
事例1)過払金返還請求を実施
年齢・性別 | 39歳(女性) |
借金をした理由 | 生活費を補うため |
債務整理方法 | 過払金返還請求 |
債務整理前の借金額 | 90万円 |
債務整理後の借金額 | 0円 |
借入期間 | 10年 |
借入先の数 | 4社 |
コメント | 借金が全てなくなるだけでなく、20万円ほどのお金が返ってきました。 |
事例2)任意整理を実施
年齢・性別 | 34歳(女性) |
借金をした理由 | 浪費癖のため |
債務整理方法 | 任意整理 |
債務整理前の借金額 | 170万円 |
債務整理後の借金額 | 120万円 |
借入期間 | 7年 |
借入先の数 | 3社 |
コメント | 任意整理後は、月々の返済額が6万円から4万円になり、生活が楽になりました。 |
事例3)特定調停を実施
年齢・性別 | 42歳(男性) |
借金をした理由 | 遊興費 |
債務整理方法 | 特定調停 |
債務整理前の借金額 | 230万円 |
債務整理後の借金額 | 170万円 |
借入期間 | 5年 |
借入先の数 | 5社 |
コメント | 毎月の支払額が5万円程度になりました。 |
事例4)個人再生を実施
年齢・性別 | 39歳(男性) |
借金をした理由 | 転職で収入が減ったのを補うため |
債務整理方法 | 個人再生 |
債務整理前の借金額 | 540万円(住宅ローンを含めると2500万円ほど) |
債務整理後の借金額 | 105万円(住宅ローンを含めると2100万円ほど) |
借入期間 | 5年 |
借入先の数 | 3社 |
コメント | 持ち家を手放さなくても、借金を大幅に減らすことができました。 |
事例5)自己破産を実施
年齢・性別 | 46歳(男性) |
借金をした理由 | 生活費 |
債務整理方法 | 自己破産 |
債務整理前の借金額 | 700万円 |
債務整理後の借金額 | 0円 |
借入期間 | 10年 |
借入先の数 | 8社 |
コメント | 借金返済から解放されたので、平穏な日々を送れる様になりました。 |
事例6)闇金対策を実施
年齢・性別 | 34歳(男性) |
借金をした理由 | 生活費 |
債務整理前の借金額 | 60万円 |
債務整理後の借金額 | 0円 |
借入期間 | 1年 |
借入先の数 | 1社 |
コメント | 闇金は借りるのは楽ですが、法外な高利なので返すのは大変です。 弁護士が介入してくれたおかげで、貸付契約は無効となり返済を停止することができました。 |
どの事案に於いても、債務整理をすることで借金が大幅に減額、または免除できたことが分かります。
無料相談後に債務整理をした場合に掛かる費用
何度も借金の無料相談を受け付けてくれる法律事務所でも、実際に債務整理を依頼するとなるとお金が必要になります。
弁護士報酬として支払う着手金と報酬金以外にも、裁判所に納める予納金などがあります。
費用を工面するのに頭を悩ませてしまいそうですが、分割払いに応じてくれる法律事務所も多くあります。
無料相談を受ける際に、かかる費用や支払い方法についても確認しておくとよいでしょう。
弁護士に依頼したらすぐに取り立てが止まりますので、債務整理したいと思うならなるべく早く決めるのがいいです。
ここでは、債務整理に掛かる費用について説明をしています。
弁護士に支払う費用
債務整理を弁護士に依頼する場合には、手続きを開始する際に支払う「着手金」と手続きか完了した際に支払う「報酬金」があります。
当たり前のことですが債務整理の方法によって、掛かる費用の相場は異なります。
各債務整理方法に於ける着手金と報酬金の費用相場は次の様になります。
着手金の相場
債務整理方法 | 相場 |
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過払金返還請求 | 1万から3万円程度/1債権者 |
任意整理 | 2万から5万円程度/1債権者 |
特定調停 | 2万から4万円程度/1債権者 |
個人再生 | 30万から60万円程度 |
自己破産 | 20万から50万円程度 |
報酬金の相場
債務整理方法 | 相場 |
---|---|
過払金返還請求 |
解決報酬:2万から3万円/1債権者 過払金報酬:回収額の20%(和解)・回収額の25%(訴訟) |
任意整理 |
減額報酬:減額できた金額の10% 過払金報酬(過払金請求をした場合):回収額の20%(和解)・回収額の25%(訴訟) |
特定調停 |
減額報酬:減額できた金額の5%から10%(但し、減額報酬は無しの場合も多い) 基本報酬:2万円程度/1債権者(但し、基本報酬は無しの場合も多い) |
個人再生 | 成功報酬:10万から15万円程度 |
自己破産 | 成功報酬:0から30万円程度 |
裁判所に支払う費用
債務整理方法 | 相場 |
---|---|
過払金返還請求訴訟(※2) |
収入印紙代:1万円以下(訴額100万円以下)、1万から3万円(訴額500万円以下) 郵便切手代:6千円程度 |
特定調停 |
収入印紙代:500円/1債権者 郵便切手代:数千円 |
個人再生 |
収入印紙代:1万円程度 郵便切手代:2千から8千円程度(裁判所によって異なる) 官報掲載費用:1万3千円程度(裁判所によって異なる) 再生委員への報酬:15万~25万円(分納する) |
自己破産 |
収入印紙代:1500円程度 郵便切手代:3千から1万5千円程度(借入先の数で変動) 官報掲載費用:1万から2万円程度(裁判所によって異なる) 予納金(※3):同時廃止1万から3万円程度/少額管財事件20万円程度/管財事件50万円程度 |
※2):過払金返還請求で裁判所に訴訟を提起した場合のみ、裁判費用が発生します。
※3):予納金は、さまざまな裁判手続き費用に使われて、余ったら還付されます。
同時廃止とは財産がほとんどない場合に、管財事件とは財産がある場合に行われる自己破産の方法です。
少額管財事件とは、破産法には「少額管財」という制度自体はなく、予納金を低額にするために裁判所の判断で運用をしている自己破産の方法です。
そのため、少額管財事件は裁判所によっては実施していないことがあります。
債務整理費用の支払いが厳しい場合には
「借金返済に困っているのに、債務整理の費用なんて出せそうもない」と思っている方もおられると思います。
債務整理を行う理由は、基本的には「債務整理に掛かる費用 < 債務整理によって減免できる借金の金額」となるからです。
そのため、債務整理をしたことで浮いたお金を、債務整理の費用に充てれば良いことになります。
しかし、弁護士に払う着手金や裁判所に支払う費用は、原則前払いとなるので、その支払いに困る方もおられると思います。
ここでは、債務整理費用の捻出が厳しい方に、費用負担を軽くする為のアドバイスを行っています。
弁護士報酬の安い法律事務所を探す
2004年4月までは、弁護士の報酬費用は、日弁連及び各弁護士会の報酬規定に従っていたので、画一な報酬体系でした。
ですが、2004年4月以降は弁護士の報酬費用は自由化されて、各法律事務所で自由に決めることができる様になりました。
報酬費用の自由化のため、弁護士報酬の安い法律事務所を探すことで、リーズナブルな料金で債務整理を行うことが可能となっています。
また、着手金が無料、後払いや分割払いができる法律事務所もあります。
その様な費用の支払方法に配慮をした法律事務所を利用することで、債務整理手続き開始時の費用負担をあまり掛けずに債務整理をすることができます。
法テラスの民事法律扶助制度を利用
法テラスでは、民事法律扶助制度という弁護士費用の立て替えを行う制度が用意されています。
収入と財産が法テラスで定める基準以下の場合に、民事法律扶助制度を利用することができます。
この制度を利用することで、弁護士費用を毎月5千円から1万円程度の分割払いで支払うことができます。
ただし、民事法律扶助制度の利用には注意点があり、費用の立て替えができるのは弁護士費用の着手金だけという事です。
弁護士費用の成功報酬と減額報酬、そして裁判所の費用も民事法律扶助制度では立て替えができません。
ですから、民事法律扶助制度を利用したとしても、全ての費用を分割後払いに出来る訳ではないことに留意する必要があります。
債務整理を司法書士に依頼
弁護士と比較するとできる内容に制約がありますが、債務整理の手続きは司法書士でも可能です。
一般的に、債務整理費用は弁護士より司法書士の方が安価です。
司法書士の場合は「裁判所を使う場合に訴額140万円を超えた借金問題を扱えない」、そして「簡易裁判所でしか代理権がない」といった制約があります。
弁護士には、裁判手続きに於いてこの様な制約はありません。
具体例を挙げると、自己破産の手続きは地方裁判所で行われます。
司法書士だと、裁判所に提出する自己破産の書類作成のサポートはできますが、依頼者の代理人として裁判所に行くことはできません。
一方、弁護士は、書類作成のサポートはもちろんのこと、依頼者の代理人として裁判所に行くことができます。
司法書士に債務整理を頼むと費用が安価な分、依頼者が自分自身でやらなければならないことが増えるという事です。